3.4. 必要な最低限のハードウェア

コンピュータのハードウェアに関する情報が集まったら、 そのハードウェアが今から行おうとしている インストールの条件に足るものであるかどうかをチェックしましょう。

やむを得ない場合は、以下に載っているリストよりは 性能の劣るハードウェアでなんとかしなければならないこともあるでしょう。 しかし、これらのお奨めを無視した場合は、 結局不満を感じる可能性が高くなってしまうと思います。

デスクトップシステムには OldWorld PowerPC, NewWorld PowerPC のいずれのモデルでも充分でしょう。 サーバには最低 132 MHz のマシンをお勧めします。

表 3.2. 最低限必要なシステム (推奨値)

使い方 RAM ハードディスク
デスクトップなし 24 メガバイト 450 メガバイト
デスクトップあり 64 メガバイト 1 ギガバイト
サーバ 128 メガバイト 4 ギガバイト

以下には、よくある Debian システムの使い方の例を紹介します。 関連したプログラム群が使うディスク容量については、 項C.3. 「タスクに必要なディスクの空き容量」 からも情報が得られます。

標準的なサーバ

小規模かつ簡素なサーバで、気難しいシェルユーザをあまりたくさんは 抱えていない場合の値です。 FTP サーバ、ウェブサーバ、DNS、NIS、POP をやらせるとしたら、 ディスク領域は 100MB で足りるでしょう。 後は提供するデータに応じた容量を追加する必要があるでしょう。

デスクトップ

標準的なデスクトップマシンで、X Window System、 全デスクトップ環境、サウンド、エディタなどが入ります。 標準デスクトップタスクを使用すれば、約 2GB が必要ですが、 それより少なくても実行できます。

作業コンソール

さらに贅沢を省いたマシンで、X Window System や X アプリケーションは カットしたものです。ラップトップ・モバイルコンピュータにいいかもしれません。 サイズはだいたい 140MB くらいです。

開発機

Perl, C, C++ といった開発用のパッケージをすべて含んだデスクトップです。 X11 や他の用途にもいろいろなパッケージを追加するとすると、 およそ 800MB くらいを予定しておくべきでしょう。

これらのサイズには、通常存在するユーザファイル、メール、 データなどは含まれていないことにご注意ください。 自分のファイルやデータに必要な容量は、 気前良く確保しておくに越したことはありません。 特に、/var パーティションには、 ログファイルのような一般的な内容に加え、Debian 特有の状態情報が多く置かれます。 dpkg のファイル (インストールされたパッケージすべてに関する情報) は、簡単に 20MB を消費します。 また apt-get は、 インストールする前にダウンロードしたパッケージをここに置きます。 /var には最低 100MB は割り当てておくべきでしょう。